先日、5月10日と12日に、NRAオンライン研究会が開催されました。
今回のテーマは「アルカリを知る」
NRAでは様々な特徴を持つ薬剤を調合して、対象の髪に最適な薬剤を使用していく事を教わります。
それにはちょっとした「基礎化学」が必要になるのです。
美容技術も同じですが、基礎のないものには応用もありませんからね!
ということで、今回は美容の「基礎化学」のお勉強!
当日を振り返りながら、復習の意味も込めて記事にしていきましょう!
アルカリって何?
今の情報社会であれば、一般の方の中にも「アルカリが髪に悪い」事くらいは知っている方も多いでしょう。
そんな髪によくない成分を、なぜ今の時代になっても使い続けるのか、なんのために使うのでしょうか、、、
実は俗にいう「アルカリ剤」は一つではありません。
例えば、美容室のカラー剤などでもっとも一般的なのは「アンモニア」
これは蒸発しやすいという特徴を持っています。
だから、サロンカラーは匂いますよね?
これは、アルカリ剤が揮発(蒸発)することで匂い、それと同時にアルカリも弱まる、、と考えられています。
これに対し、パブリックのセルフカラーで使用されるのが「モノエタノールアミン」
こちらは逆に、蒸発しにくい特徴があります。
これは一般の方の要望に「匂いを少なくして欲しい」があるからだと思います。
ただ、匂いが少ないからこそ、髪の負担も大きくなっている、、セルフカラー剤の薬剤が強いとされる所以は、この「揮発しないアルカリ剤」だと考えられますね。
ただし、現在のセルフカラー剤は、各メーカーが膨大な研究費をかけているため、剤としてはどんどん進化しているようです。
他にも、重炭酸アンモニウムとか、リジン、アルギニン、炭酸ナトリウムなど、様々な特徴のあるアルカリ剤が使用されています。
アルカリはどんな影響があるのか?
とはいえ、美容師はこのようなアルカリ剤の種類を覚える必要なんて全くありませんよね。
まず、知っておくべ事はアルカリ剤の働き。
簡単に言ってしまえば、アルカリ剤でキューティクルを開き、髪内部に薬剤を浸透しやすくしたり、染色を促進したりする働きをしているのですが、このアルカリに触れている時間に比例して、髪は傷んでいくのです。
アルカリに触れることで、髪は柔らかくなり、ふやけた状態になってしまうからです。
とはいえ、アルカリ剤の作用が無ければ、髪を明るくすることも不可能だし、形を変える事も大変になります。
ですから、ある意味では「アルカリ」は必要なものであることは確かなんです。
余談ですが、酸性ストレートや酸性パーマはアルカリ剤を使用しないで髪を変形させるのですが、薬剤をよく知っておかないと、大きなリスクも有りますのでご注意を!
次は、アルカリの強さについてみていきましょう!
Phとアルカリ度
同じカラー剤でも、ブリーチ剤と7レベルのカラー剤では薬剤の強さ、ブリーチ力など全然違うのはわかりますよね、、。
ではこの違いは何によるものなのでしょうか?
美容師であれはPhはよく聞く言葉だし、なんとなくでも理解できると思うのですが、髪の負担という意味では「アルカリ度」の方が重要です。
アルカリ度とは、アルカリを中和するのにどの程度の中和剤を必要とするのか、という度合です。
アルカリ度が高い・・・なかなか中和できず、中性、もしくは弱酸性に戻すのが困難
アルカリ度が低い・・・すぐに中和でき、中性もしくは弱酸性に簡単に戻すことが出来る
という事が言えるでしょう。
ちなみにブリーチ剤のアルカリ度は一般のカラーとは比較にならないほど高いです。
だから、ブリーチ=ハイダメージ となってしまうんです。
NRAでアルカリといった場合、ほとんどがこのアルカリ度をさしますが、このアルカリ度は非常に重要な意味があり、この点をしっかり理解できれば、365+カラーやベースメイクの「アルカリをコントロールする」事の真の意味が分かるようになり、髪に合わせた施術が可能になるでしょう!
当日はここから、NRAの商材の使用方法、アルカリ度の確認方法、カラー剤のコントロール方法を学びました。
これからも、こういった基礎的な学習も行ってほしいですね!